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旧東海道10 (関から京三条大橋)-2 <坂下宿(さかのしたしゅく)>

<坂下宿(さかのしたしゅく)から土山宿へ>(10.0km)

 

 

坂下宿は東海道48番目の宿場で、鈴鹿峠の登り口にあり、峠を越えようとする旅人の多くがここ坂下宿に泊まることを想定して、旅籠が多く3軒に1軒が旅籠だったそうです。
しかし明治以降、関西鉄道の開通で、人の流れが変ったことで徐々に衰退して、現在では数十件の民家があるだけとなり史跡石柱が建っているだけです。



広重 「坂之下宿」 中央に筆捨山が描かれている

河原谷橋----松屋本陣跡、大竹屋本陣跡、梅屋本陣跡----法安寺----岩家十一面観世音菩薩の石碑---(山道)---片山神社の石柱----片山神社----鈴鹿峠・国境の標石----万人講常夜燈----小さな公園

 

 


 

小さな河原谷橋を渡り、坂下宿にはいる。
淡々と1kmほど歩いていくと、道の左側に松屋本陣跡大竹屋本陣跡梅屋本陣跡の碑が続く。

大竹屋は「街道一の大家」と称えられたほどで、旅人は一度は泊まってみたいと願う宿であったという

道の反対側には法安寺(ほうあんじ)がある。ここの玄関は松屋本陣から移築したもので、これは坂下宿で当時を偲ぶ唯一の遺構だそうです。

この辺りまでが坂下宿で、ここを出ると山道が多くなります。



大竹屋本陣跡 石柱


法安寺 山門の下には「南無阿弥陀佛」という大きな石碑と「西国三十三所順拝写」と書かれた石碑が置かれています。

500mほど真っ直ぐ西へ歩くと、ちょうど1号線と接触する道の右側に岩家十一面観世音菩薩の石碑がある。その左脇に閉じられている鉄製の門があります。その奥には、岩屋観音があるようです。

これは、万治年間(1658-1660)に実参(じっさん)和尚が巨岩に穴を穿ち阿弥陀如来・十一面観音・延命地蔵を安置したというもので、御堂の横に清滝の水が落ち別名を清滝観音とも言います。


 
伊勢参宮名所図会には「此宿の本陣家広くして世に名残し(中略)海道第一の大家也」と書かれています。
この絵の右上に「崖下に観音堂があり、その脇に滝が描かれています」が、これが岩屋観音(別名 清滝の観音)です。

側にある道標に従い山道に入る。結構険しい道を登って行く。
暫らくすると国道に出会うので鈴鹿峠方面に少し行くと、大きな片山神社の石柱が立っている。



道標  旧東海道鈴鹿峠 1.5kmと書いてある


 険しい山道


片山神社の石柱

片山神社の参道は、緩やかな上り坂で左右は杉木立で、道の左側には清流が流れています。実はこの辺りは江戸時代初期に「坂下宿」があった所で、「古町」と呼ばれているそうです。
慶安3年(1650)九月の大洪水でここにあった宿場が壊滅的な被害に遭い、 山川、田畑、民家が全て頽廃したため、翌年、十町(1キロ余)下に移転した。と案内板に書いてありました。

参道の正面に、片山神社の石柱と鳥居が見えてきます。



片山神社(かたやまじんじゃ)
鈴鹿大明神、鈴鹿権現、鈴鹿明神と呼ばれ、坂上田村麻呂の山賊退治にまつわる女性である鈴鹿御前を祀ったといわれている。水害や火事の神様である。神社の鳥居の近くに鈴鹿流薙刀術発祥の地とかかれた石碑が立っている。

この神社から「八丁二十七曲がり」と呼ばれた鈴鹿峠越えが始まります。
右に入り山道風の急坂道を鈴鹿峠をめざして登ります。途中に鈴鹿峠を行き来する馬の水飲み場跡があった。
少し平坦な道が現れると、そこがもう鈴鹿峠であった。
そこには、伊勢の国と近江の国の国境の標石が置かれています。

鈴鹿峠(すずかとうげ)
鈴鹿峠(378m)を越える初めての官道は「阿須波道(あすはみち)」と呼ばれ、平安時代の仁和2年(886)に開通した。 八町二十七曲(はっちょうにじゅうななまがり)といわれるほど、急な曲がり道の連続するこの険しい峠道は、古代から山賊が多いことでも有名で、峠には山賊(鬼)を退治したという坂上田村麻呂を祀る田村神社跡がある平安時代の今昔物語集に水銀(みずがね)商人が盗賊に襲われた際、飼っていた蜂の大群を呪文をとなえて呼び寄せ、山賊を撃退したという話や、坂上田村麻呂が立鳥帽子(たてえぼし)という山賊を捕らえたという話など山賊に関する伝承が多く伝わっており、箱根峠に並ぶ東海道の難所であった。




国境の標石  ここからいよいよ滋賀県(近江国)に入ります、

少し行くと巨大な石積みの常夜燈が建っていて、トイレやベンチのある休憩所になっています。この常夜燈は万人講常夜燈との標識がたっていました。
ここからは、下り道です。



万人講常夜燈(まんにんこうじょうやとう)
重さ38トン、高さは5.44mもある常夜燈です。270年前に四国金比羅神社の講中が建てたものですが、旧山中村高畑山天ケ谷産の粗削りの大きな自然石をそのまま使って、山中村を始め、坂下宿、甲賀谷の3000人が結集して造ったものと伝えられています。
東海道の難所であった鈴鹿峠に立つ常夜燈は、往来する行商人信者が常夜燈に火を燈し、鈴鹿峠より伊勢の海遥か彼方の四国金毘羅神社に航海と道中の安全を祈ったという


峠道を下って行くと、鈴鹿トンネルを抜けて来た国道1号線が道の右下に走っている。峠道はこの先で国号1号と合流するが、歩道のある反対側に渡るには横断歩道がないので地下道で渡る。この辺りで後ろを振り返ると、鈴鹿峠の万人講常夜燈が見える。
そのまま国道をひたすら歩くと、右に入る道が現れるのでそちらに入りそのまま進むとT字路になるので、左に行くと、小さな公園があり「東海道 鈴鹿山中」の石碑と石灯籠が建っています。



地蔵大菩薩堂----山中一里塚公園----猪鼻村----浄福寺----旅籠中屋跡----白川神社御旅所----蟹坂古戦場跡----海道橋

 



公園から再び国道を離れ右の道に入ると、少し先の右側に地蔵大菩薩堂があります。
前方にある新名神高速道路の高架橋の下をくぐるとまた国道1号と合流します。ここは「山中一里塚公園」で、一里塚碑櫟野観音道(いちのかんのんみち)道標(追分になる)がある。

櫟野観音道とは、「山中地区の旧東海道沿いから南西に伸びる道は、古くから東海道と神(かみ)村(甲賀町大字神)・櫟野(いちの)村(甲賀町大字櫟野)方面をつなぐ生活の道として利用され、大原道(おおはらみち)とも呼ばれていた。」そうです。



地蔵大菩薩堂


山中一里塚公園の道標
表には「いちのかんのんみち 」と刻まれて、側面には櫟野寺(らくやじ)本尊の十一面観音の慈悲を詠んだ、虚白(きょはく)の「盡十方(つくすとも)世にはえぬきや大悲心(だいひしん)」という句が刻まれており、櫟野の櫟野寺への参詣道でもあったことを伝えている。

国道を進み右側に民家が見え始めると猪鼻交差点で、江戸時代は猪鼻村だったところです。
交差点から少し戻るようにして回り込んでいくと、右側に「浄福寺」があります。その門前には大高源吾の句碑が置かれています。大高源吾は赤穂浪士の一人で、俳号を子葉と名乗っていました。「いの花や 早稲のまもるる 山おろし

その先に「旅籠中屋跡」の石柱と「明治天皇聖蹟碑」がありますが、明治天皇が立ち寄られ休憩されたようです。この辺りは、かつては東海道の立場で草餅や強飯(もち米を蒸した飯)が名物だったようです。

その先のS字のカーブの急坂を上ると再び国道1号に合流します。



猪鼻村


浄福寺  門前には大高源吾の句碑が置かれている。

国道に戻り500m程の右に鳥居がある。これは、白川神社で、「御旅所」の石柱と小さな社殿が二つあります。ここから再び右の道にはいる。ここには親切に土山町蟹ヶ坂(かにがさか)の案内板がおかれていた。
案内に従い田村神社を通り、道の駅「あいの土山」に向かう。

道はこの先で金属工場の敷地内を通るように進んでいくと右側に大小の碑があり、小さい石柱が蟹坂古戦場跡の石碑です。



白川神社


蟹坂古戦場跡(かにさかこせんじょうあと)
天文11年(1542年)9月、伊勢の国司北畠具教は、甲賀に侵入しようとして、彼の武将神戸丹後守および飯高三河守に命じ、鈴鹿の間道を越えて山中城を攻めさせた。当時の山中城主は、山中丹後守秀国であり、秀国は直ちに防戦体制を整え、北畠軍はひとまず後退したが、直ちに軍政を盛りかえし、さらに北伊勢の軍政を加えて再度侵入し、一挙に山中城を攻略しようとした
このため秀国は、守護六角定頼の許へ援軍を乞い、六角氏は早速高島越中守高賢に命じて、軍政五千を率いさせ、山中城に援軍を送った。一方、北畠軍も兵一万二千を率い、蟹坂周辺で秀国と合戦した。この戦いは、秀国勢が勝利を収め、北畠勢の甲賀への侵入を阻止することができた。


間もなく田村川の袂にさしかかり、ここに架かる街道橋を渡り、田村神社を過ぎると土山宿になります


街道橋(かいどうばし)
江戸時代の安永4年(1775年)に架けられた田村永代板橋を復元した橋。 往時の橋は、巾二間一尺五寸(約4.1m)、長さ二十間三尺(約37.3m)。高さ0.3mの低い欄干が付いた当時としては画期的な橋であった。 安藤広重の「土山宿・春の雨」は、この橋を渡る大名行列の様子を東側から描いたものです。 橋の右の方には、橋番所、橋のたもとには高札が架かっていたといわれている。



(つづく)<土山宿(つちやましゅく)から水口宿へ>http://yamakazeoto.jugem.jp/?eid=191
 


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